スワヒリ亭こゆう

狼たちの午後のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
4.0
午前十時の映画祭にて観賞。
シドニー・ルメット監督とアル・パチーノのコンビで製作された本作は実際にブルックリンで起きた銀行強盗を題材にした作品でアカデミー賞では脚本賞を受賞した作品らしいです。

事前にあらすじなど知識を入れずに観たんですが、本作の監督×主演のコンビは『セルピコ』を観ていたのでアル・パチーノの役どころが刑事ではなく銀行強盗な事も知らなかったし、そもそも銀行強盗に立て籠もる話なのも知らなかったので、ストーリーの方向性が定まるまで戸惑いとつまらなくなりそうで怖かったです。
ですが、ソニー(アル・パチーノ)が銀行強盗にも関わらず野次馬の群衆から支持を受けるあたりからはどんどん面白くなっていきましたね。
当時の世相が反映されてるのかな?「アティカ!アティカ!」と叫ぶソニー。何のことだろう⁇と調べてみるとアティカ刑務所で囚人の暴動があったらしいです。
そういう時代背景を作品に反映させているのも社会派の監督らしい演出かもしれません。


アル・パチーノの演技は素晴らしいですね。
二枚目の役どころではないんですが、熱のこもった芝居に心が打たれました。
カッコいいなぁ。


銀行強盗の杜撰な計画に最初は戸惑いましたが、ソニーが群衆を味方につけたり、人質の銀行員とのやりとり、警察との交渉など、脚本が面白かったです。