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アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)のmareのレビュー・感想・評価

4.0
イコン画家アンドレイルブリョフの生涯、そして中世ロシアの歴史と絡み合いながら描かれる3時間2部構成にわたる壮大な映画。15世紀のモスクワ大公国を背景にタタールの襲来、宗教的迫害、形を変えさまざまな視点で観て取れる動乱は混沌を極めていて、そこへタルコフスキーの独自の映像解釈と宇宙的神秘を内包している。おそらくタルコフスキー映画で最難関であり、ただでさえ歴史資料が少ないルブリョフを題材にしている上、ロシアの歴史背景を事細かく追わなければ全貌を把握することは到底不可能。しかし理解を置き去りにしてもタルコフスキーが創造する浮世離れした空間は永遠の没入感を与えてくれる。
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