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トゥモロー・ワールドのericaのネタバレレビュー・内容・結末

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

なかなか面白かった!

冒頭の爆破テロの威力にまずびっくり。
そして重要人物だろうが大物俳優だろうが構わずバンバン人が死にます。

開始30分である人が死にますが、その瞬間からこの映画の容赦のなさを悟ります。笑

「トゥモローワールド」なんて邦題からまったく想像できないぐらい、とにかく絶望感が強い。

この邦題のせい(失礼)でよくある近未来SF映画、それこそ題名酷似のSFディ◯ニー映画のような世界観だと思ったらとんでもない。
車は空を飛ばないし、宇宙船や宇宙人もまったく出てきません⚠️

描かれるのはひたすらに荒廃したディストピア。

舞台は2027年のロンドン。
人類が生殖機能を失ってから18年。
世界で最も若い人の年齢が18歳。
つまりこの世界に子供は存在しない。

子供=希望を失ってしまった世界は絶望と混乱に陥り、唯一英国だけが救いを見出せる場所、という設定。

唯一英国だけがっていうのが腑に落ちないけど笑、この設定は今の時代、多くの先進国が少子化問題を抱えているし妙にリアルじゃないですかね。
原因は大気汚染などの環境問題や社会的・心理的な問題などいくらでも考えられるし、ずっと先の未来だとしてもあり得なくはなさそうだし、少なくともぶっ飛んだ設定ではないっていう絶妙なところを突いてくる。

この映画の見所は、もちろんラストの長回しのシーンにあると思う。
「バードマン」や「サウルの息子」を彷彿とさせるような独特なカメラワークは効果が絶大。
自分もまるで戦場にいるかのような臨場感。
飛び交う銃弾の中、ギリギリのところで死を免れているという体験にはものすごいハラハラした。

これ映画館で観たかったなぁ〜。

そしてエンドロールの直前、原題"Children Of Men"の文字からの子供の笑い声が聞こえてくるという演出がにくい。
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