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歩いても 歩いてものdeenityのレビュー・感想・評価

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)
3.5
最初に言っておくがこの手の映画は非常に私の好みである。と言ってもどこまでリアリズムを追求できるかが鍵であり、そこに違和感が生まれると作品全体のイメージを崩壊しかねないというライン上にあるため、究めるのは意外と難しい。当たり前にある風景をそのまま、ナチュラルに、繊細に表現すること。その点、この作品は実に写実的でうまく描けていたと思う。

田舎の一家の一風景。実に自然。親子の関係。祖父母と孫。婿と姑。絶妙な距離感。樹木希林を中心に据えることで全体のバランスが安定しているが、他の誰一人崩すことなく一家を演じている。特にYOUとのやり取りは演技と思えないほど自然で、個性の強い俳優さんだがそこがまたうまくマッチさせられる辺り樹木希林の存在感がある。

とにかくナチュラルで、私の感じた本作の魅力はそこのみ。食事の時に孫は祖父母に挟まれるとか、帰り際の別れの握手とか、細かいとこまで追求した究極のリアリズムのような作品。
結局この手の核家族がテーマになる作品の主張はイマイチわからない。しかし、この作品の雰囲気を味わうことで和みを感じることができれば有意義な時間だと言えると思う。