リッキー

K-19のリッキーのレビュー・感想・評価

K-19(2002年製作の映画)
4.0
895本目。
この作品は潜水艦を舞台にした映画の中でも秀作でした。もっと早くに鑑賞すればよかった作品です。
実話に基づいた潜水艦事故の話だが,戦争映画のカテゴリーに入るでしょう。
原子力潜水艦のため事故は致命的です。放射能漏れによる船員の対応は圧巻です。そのため多くの尊い乗組員の命と引き換えに第3次世界大戦の危険を回避したわけですから,この実話はもっと認知されるべきだと思います。
アメリカ映画がソ連の英雄を称える設定はさすが,キャサリン・ビグロー監督です。
それに「ゼロ・ダーク・サーティー」や「ハート・ロッカー」のように緊張感をスクリーンに投影する能力が非常に高いです。

キャスティングはハリソン・フォード,リーアム・ニーソンと名俳優を起用しており,迫真の演技なのですが,二人とも根本的に善人のヒーローの印象があるため,もっと冷徹なイメージの俳優さんなら,ソ連の将校を演じ切ることでもっと評価が高まったのではないでしょうか。

私は定期的に潜水艦の映画が鑑賞したくなります。
リスニング用として「U-ボート」や「クリムゾンタイド」をたまに部分的に視聴していますが,今回は違う潜水艦映画を鑑賞しようと思い,現在注目されているキャサリン・ピグロー監督の本作品を選択しました。
深海の特殊な環境の中、潜水艦という密室で緊張感を体感できることが好きな理由がありますが,映画における潜水艦を舞台にした作品は「水中の音」にこだわっている作品が多いためです。
ソナー音,深海での静粛性,魚雷の重厚な音などは、たまに自宅のスピーカーの位置を微調整するのにうってつけのソフトになります。

この作品は冷戦下に核攻撃をちらつかせているソ連の緊迫した状況を丁寧に描いた作品として、潜水艦映画としてお薦めの作品です。
リッキー

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