リッキー

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのリッキーのレビュー・感想・評価

4.1
1018本目。190602
「神々の戦い」
1998年のハリウッド版のゴジラには「神」が宿っておらず、単なる恐竜の進化版に成り下がっていて、とてもがっかりしましたが、2014年に公開されたモンスターバースシリーズ『GODZILLA ゴジラ』にはしっかりと「神」が存在しており、日本版の「ゴジラ」に対するリスペクトが感じられたので、その続編となる本作を、劇場で鑑賞してみました。

ゴジラをはじめモスラ、ラドン、そしてキングギドラと、皆素晴らしかったです。特にモスラの神々しさには思わず平伏して拝みたくなりました。それぞれのキャラクター単独でも作品が撮れそうです。彼等の戦いを目にすると、人間はなんとちっぽけな存在かと思い知らされます。ゴジラVSキングギドラの戦いは想像以上で興奮しましたが、個人的にはゴジラと同等の力を持つラドン(とても同等には感じられませんでしたが)との戦闘シーンを観たかったですが、贅沢な要望ですかね。

このようにこれらの怪獣たちには何の不満もありませんでしたが、人間の身勝手な行為が鼻につきます。ストーリーを作るうえで、人間ドラマも必要なのでしょうが、安っぽい家族愛が作品の評価を下げてしまいます。どうしてこのような無茶苦茶なエピソードを入れてくるのか? 「地球を」「世界を」「神!」というとても壮大な世界観の中でとても浮いてしまっています。
庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」がアメリカでは不評だったのは、家族愛が取り入れられていなかったからとのことですが、身勝手家族のために犠牲者が出るわ出るわ…組織の命令系統もバラバラだし。アメリカの観客はこれでも納得できるのかもしれませんが、人間には「シン・ゴジラ」のような結束がほしかったです。

色々書きましたが、今回のド派手なハリウッド版「ゴジラ」も「シン・ゴジラ」とは別系統の正当な続編にカウントしてもよろしいと思います。
庵野さんにもハリウッド並みの潤沢な製作費で撮っていただきたいですね。
リッキー

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