一

スウィングガールズの一のレビュー・感想・評価

スウィングガールズ(2004年製作の映画)
4.5
矢口史靖監督作品

ジャズに魅了され、ビッグバンドを結成した田舎の女子高生たちの奮闘と成長を描いた青春コメディ

これは文句なしに素晴らしすぎた…
なぜ今まで観てなかったのかと激しく後悔するくらいガチガチの大傑作

個人的に当たり外れの振り幅が大きい監督というイメージではありますが、本作に関しては非の打ち所が何一つ見つからない完璧さで、これぞ青春映画といえる邦画の新たな到達点と言っても過言ではなく、『WOOD JOB!』『ひみつの花園』と大傑作を作り上げた矢口史靖監督の最高傑作かもしれない
その上、完全オリジナル脚本というからお手上げです…

安易な恋愛パートもなければお涙頂戴パートもない
至ってコミカルに描かれ続けるので全然泣くようなシーンではないのに、自分でも引くほどぼっろぼろに泣いてしまった
底抜けに明るく生き生きとした活気ある元気な高校生たちが、ワイワイ楽しそうにしている姿を観ているとなんだか無性に涙が止まらなくなる

東北の訛りや方言がとにかくかわいいというのは置いといても、だらだらとした高校生のほのぼのとした日常描写も感心するほど作り込まれている

ユーモアのセンスも抜群で笑えない無駄なシーンはひとつもないし、信号でジャズに気づくシーンなんかはもう天才的過ぎて感動

熱血スポ根系ではないので、血のにじむような努力をしてコンテストで優勝!みたいなストーリーではありません
しかし音楽に触れ、演奏自体を純粋に楽しんでいる彼女達を観ているだけで桁違いに元気をわけて貰える

クライマックスの演奏シーンも超最高なんですが、それよりもハマっていく過程から楽器を買う過程から徐々に上手くなる過程までと、本当に全てが愛おしくなる神がかり的な演出の数々も最高

キャスティングも素晴らしく、出世作であり全盛期の上野樹里の凄まじい存在感と安定感で、彼女が画面にいるだけでどんなシーンも癒しとなる
貫地谷しほりも平岡祐太も本仮屋ユイカも竹中直人もバンドの二人も、名前もわからないメンバー達も、みんなみんな最高の名演技

江口のりこや西田尚美や高橋一生がちょい役やってたりと、脇役の方々もかなりの豪華さ

ジャズの魅力も青春のきらめきも、全部が全部どうしようもないくらい最高に洗練された大傑作

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿91% 〉
〈 IMDb 7.5 / Metascore - / Letterboxd 3.9 〉

2021 自宅鑑賞 No.177
一