みほみほ

プレステージのみほみほのレビュー・感想・評価

プレステージ(2006年製作の映画)
4.2
🔮2020年65本目🔮

見事に騙された。マジックを見せられたような感情。最初から最後までの一連の流れや仕上がりが凄い。最近流行りの[伏線回収]なんてバッチリ。散りばめられた謎を全て結び付けるから圧巻。

何も知らずに興味のまま惹かれて観たので、疑いながら見る様なこともなく、純粋に楽しめたのも喜ばしい限り。

アンジャー(ヒュー・ジャックマン)vsボーデン(クリスチャン・ベイル)の至高の騙し合い。そして技の見せ合い。

もはや本業で成功する事よりも、相手を陥れようとしたり、邪魔したり、お互いがお互いを蹴落そうとする姿は見ていて歯痒い。

そりゃアンジャーは、ボーデンの無茶な行動によって奥さんを亡くしてるので、許せない気持ちも分かるし、最初は明らかにアンジャー寄りな気持ちで、ボーデン嫌な奴〜!って思って見てたけど、復讐心がどんどん変化していって、相手の技を盗む事に執着したり、手段を選ばないようになっていき、どんどん強欲になっていくアンジャーを見ていると、やるせなくなってくる。ヒュー・ジャックマンの優しそうなイメージがある分、どんどん変わっていくヒュー・ジャックマンを見ているのは辛い。

退屈する暇もなく、やってはやり返され、どちらかが先手に出て勝ち誇ったと思えばそうでは無くなりと…いかにお互いに賢いのかもよく分かる。

ボーデンの方が上手だったのは事実だが、最初に見せられる事実、そしてそれ以前の話、そして現在に結びついた先に知るトリックの種明かしには、ぶったまげました。最近観た中でもラストの驚きはトップだったかもしれない!!

実はタイトルを見た時は、キャストはヒュー・ジャックマンしか分からなかったのですが、本編を見始めたら…なんだこのキャスト…バッドマンか!と高揚してきて、本編終わった瞬間に、クリストファー・ノーランと名が出た瞬間にやられました。まさか監督まで同じだったとは!!そして本作は「バッドマン・ビギンズ」の翌年の映画なのも面白い。

人間としてはアンジャーの方が好きだけど、復讐に燃えだしてから変わっていく姿は、見ていられない程に嫌な奴になっていくので、ボーデンの冒した許せない過ちが根底にあったとしても、やり過ぎ感が否めない状況。

そんな中、二人の師匠であるカッターは、間に入って見守っている。(途中まで明らかにアンジャーの味方キャラになっていた)この人の行動も分かりやすいようで実は読めない。私が唯一謎だったのは、最後のカッターでした。まぁ二人の師匠でもあるから、どちらに付くというより状況を冷静に見たという事かな。観た方が居たら語りたいくらい。

いずれにしても奇術師(手品師とは違うのか?)として名声を得る事の大変さやリスクを痛いほどに知りました。

二人の至高の対決、その頂上決戦を彩るのは二人の頭脳。すごく見応えのある作品でした。最後の真相と物語ががっちり組み合わさったときに、なるほどねー!と驚かされるので、一度ではなく何度も観たくなる作品です。

そしてクリスチャン・ベイル……ムカつく男だったけど、相変わらず素敵だった。良い役より少し最低なやつの方が似合う人なのかもしれない。

ヒュー・ジャックマンは全体的に顔のパーツがデカくて離れているから、なんかこうインパクトが凄かったです。
杖をついていたので、ちょっぴりグレイテスト・ショーマンか!(あっちはステッキだが…)と思いながら楽しませてもらいました。

スカーレット・ヨハンソンは女性として雰囲気は綺麗だけど、なんか好きな感じじゃないなぁと思った。ボーデンの嫁さんの方が私は好き。なんならアンジャーの嫁さんが一番お綺麗だった。

綿密に練り上げられいて、豪華!
キラキラしているのに描いているのは人間の汚さと蹴落とし合う二人の醜さ…。

上質でかなり面白かったです!!
みほみほ

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