JIN

幸せのちからのJINのレビュー・感想・評価

幸せのちから(2006年製作の映画)
3.9
職がない、お金がない、不景気この上ないそんな時代にこの作品を観るのはどこか生々しい痛みがあった。
「明日は我が身」この自分にしたってこの先いつどうなることかわかったもんじゃない。
いやもう観ていてたまらなく気が重くなっていった。
悪い事は重なるもので次から次へと困難の悪循環へ…。
こんな生活に陥ったとしたらどうやって切り抜けられるだろうか?
生き抜く為にここまでタフになれるもんなのか?ちょっと自信ない(笑)
それでも人間どん底に落ちても希望を失ってはいけない。
ウィル・スミス演じるクリスは我が子という守るべきものがあってこそ強くなれたのかもしれない。
劇中でクリスが息子にこんなことを言うシーンがある。

「誰かに無理って言われても、それであきらめるんじゃない。パパでもだ。わかったか? 夢があるなら、自分で守るんだ。みんな自分ができないもんだから、人にもできないって言うんだよ。欲しいものは掴み取れ!それしかない」

まるでどん底の自分自身に言い聞かせるように。
父親である自分の姿を見て信じて付いてくるように息子に言う。
プライドも何もズタボロになるような毎日の中、苛立ちや情けなさを感じつつも、必死でがむしゃらに腐らずに生きようとするクリスの姿は今の時代にはとても学ぶべき姿のように思う。
それとクリスが数々の困難を切り抜けていけたのは「自分自身を信じること」、「忍耐力」や「行動力」といった他にも大事な要素があった。
それは「ユーモア」。
機知に富んだユーモアっていうのは人を笑わせるだけでなく、頭の回転の良さを思わせるので感心される。
思わずネガティヴな方向に引っ張られそうな時でも、こうゆう人がいると場の雰囲気も明るくなるもの。
それこそこうゆう人は「ピンチをチャンスに変える」才能を持った人だと思う。
暗い顔をしてる人のところに人は寄ってきたりしない。
自分が人事採用担当者なら欲しいのはこうゆう人やね(笑)
JIN

JIN