このレビューはネタバレを含みます
この映画は、
『少年たちのひと夏の冒険』じゃなくて、
『ひと夏の冒険の思い出』なのが一番の特徴。
冒頭で主人公が新聞記事を見て過去を思い出し、
過去が描写され、
ラストは思い出にふけっていたのを自分の子供に引き戻される。
そして「あのときのような友達はもう二度とできない」とシメられる。
子供時代をそのまま子供の視点で描くのではなく、
大人の回顧として描くことで、まったく別のメッセージになっている。
ともすると、より直接的で、より説明的であり、本来は観客が感じ取るべき部分なのかもしれないが、演出の巧みさ、落ち着いたテンション感、そして”死”が隣にあることで、説明的だ!とは感じさせない工夫になっている。