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エレファント・マンのkaneのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
2.0
小さな怒りが残る。
あの程度で全てが収集し、あたかも幸福が訪れたかのような結末に違和感を感じる。問題は何にも解決していないんじゃないか。普通には生きられないジョンが普通に認められるのではなく、極少数の特殊な人に受け入れただけ。監督は、たった1人でも人間扱いしてくれる人がいれば、マイノリティーであっても幸福だとでも思っているのだろうか。ジョンが常に受動的であるのも共感し難かった。正直、魅力的に見えない。

一般論として、人は見た目じゃないというものがある。よくよく考えるとおかしな話で、なぜ容姿より人格が優位であると決めつけているのだろう。それも紛れもない価値基準の一つだと思うのだが…。

ジョンを異質だと思うこと自体が差別だというような描き方で、問題なのは容姿を問わず、人を攻撃することであるはずだ。個人的には何かに対して真剣に向き合っている映画には思えなかった。
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