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ファイト・クラブのkaneのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
2.8
フィンチャー監督のどんでん返し系の映画はどうしてかピンとこない。種明かしまで物語の終着点が隠されているため、感情移入する隙もなく、傍観するしかない。この手の映画がとても苦手ということもあって、音楽や映像で時折オッと思わされることもあったけれどやっぱり退屈で…。

痛みがあるから、痛みがない幸福を感じられる。映画で描かれているものは一貫してそれ。大したことないテーマのようだが、改めて言われると確かにそうで、そんな当たり前のことをうっかり忘れていた自分に気づかされた。
この作品には色々な解釈の仕方があると断った上でだが、終盤、主人公が理想との比較ではなく、自分であることの幸福を絶対的に肯定するシーンに胸を打たれた。

どんでん返しを楽しむというよりも、全て知った状態で見た方がこの映画は楽しめるような気がする。再び観ることがあれば、印象はだいぶ変わると思う。
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