マヒロ

ルールズ・オブ・アトラクションのマヒロのレビュー・感想・評価

3.0
タランティーノと共にあの『パルプ・フィクション』の脚本を書き上げたものの、それにより起きたいざこざから袂を分かつこととなってしまったロジャー・エイヴァリー。そんな経歴を持った彼だからか、登場人物は異性とヤることとかクスリをキめることばかり考えていたり、逆再生とか分割画面といった唐突な映像テクニックを見せたがったりするところとか、どことなくタランティーノのやり方に似ていたりする。
ただ、この映画がタランティーノ映画と決定的に違うのは、基本登場人物が”オトナ”なタラ作品とは正反対に、みんな思春期のコドモである、という点。処女のローレンは初めてを旅行中で不在の恋人に捧げることを夢見ていて、ヤリチンでヤクを売っているショーンはそんな彼女に恋をする。そしてそんなショーンに思いを寄せるのはホモのポール。こいつらのほろ苦い青春の顛末をシニカルな目線で描いていて、そこら辺がただの小奇麗な恋愛ものと違って実に良い。青春とは美しく輝くようなものでなく、醜くいびつであるべきなのです。…僕にとっては。
(2014.40)
マヒロ

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