マヒロ

48時間のマヒロのレビュー・感想・評価

48時間(1982年製作の映画)
3.5
刑務作業中に脱走した囚人の捜索中、追い詰める寸前に同僚を殺されてしまった刑事のジャック(ニック・ノルティ)は、行方をくらました犯人を探すべく、かつて彼らの仲間だったが裏切られて服役中のレジー(エディ・マーフィ)を48時間限定で仮釈放させ、二人で捜査を行うことにする……というお話。

刑事と囚人、白人と黒人という全く異なる立場におり、性格も全く違う二人がタッグを組むという分かりやすいバディもので、既にむくれ顔が板に付いているカタブツ刑事役のニック・ノルティと、これが出世作となるエディ・マーフィの軽妙なやり取りが楽しい。
猥雑な夜の街を駆け回る様子は『ストリート・オブ・ファイヤー』や『ザ・ドライバー』などを彷彿とさせるウォルター・ヒル印という感じでこれまた格好良い。彷彿とさせる……というと、劇伴で使われている場面に似つかわしくないスチールパンの陽気なフレーズ、ヒル監督の『レッドブル』とかシュワ繋がりで『コマンドー』でも使われてたな、と思ったら音楽が同じジェームズ・ホーナーだった。気に入ってたのか使い回してるのか……。

タイトルどおり48時間と言うタイムリミットが設けられているが、劇中どれだけ時間が経っているかはそこまで厳密に明かされず、サスペンスとして残り時間を使わないというのが逆に新鮮だったかも。なんだったら時間も解決後にちょっと余っているくらいで、設定の割に緊張感がないとも言えるが、これくらいのユルさもまた良い。
後年ほど弾けきっていないエディ・マーフィのちょうど良い塩梅の演技もあり、昨今の忙しないアクション映画とはひと味違う80年代らしい大らかさの感じられる作品だった。

(2023.73)
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