しゅんかみ

ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]のしゅんかみのレビュー・感想・評価

3.0
 本国からは悪評しか聞こえてこないリブート版『ファンタスティック・フォー』を、試写会で観られることになったので慌てて予習。実は初めての鑑賞。

 宇多丸さんの『アベンジャーズAoU』の評で、「コミック実写化は、それまでナシだった表現をどれだけアリにしていけるかという勝負」という、核心を突いたパンチラインがあった。
 それに当てはめると、今作は圧倒的に絵的にナシだったなあ…と思わざるを得ないかな…

 というか、このFFのゴム人間、透明人間、岩人間、炎人間という能力自体が、すでに実写化に相当なハードルを課していると思う。
 特にいちばんのハードルはゴム人間=Mr.ファンタスティック。当時のCG技術の限界もあるんだろうけど、シリアスなシーンでもゴムゴム感が出るとやっぱり笑っちゃうんだよな…しかもその彼がチームのリーダー的存在なのに、ヒーローとしての存在感や絵的な外連味がほぼ皆無だったのが、致命的にあかんかったね…
 これ見ると、リブート版もかなり心配になってくる。『セッション』でドラム叩いてた彼がゴム人間…ちょっと想像がつかない。

 透明人間=インビジブル・ウーマンも、透明になるという能力を上手く活かすというよりはただ透明になるだけという印象で、唯一活かしていたのはジェシカ・アルバの下着姿を見せたシーンくらい。
 炎人間=ヒューマン・トーチは、見た目通りいちばん華はあったかな。熱探知のミサイルを誘導する、という見せ場もあったし。ただやっぱり絵的なアホらしさは残ってしまってる。
 しかし今や最強の童貞であるキャプテン・アメリカことクリエヴァがこんなにチャラい役をやっていたとは、俄かには信じがたい。
 岩人間=ザ・シングさんは、見た目の印象ではいちばん「大丈夫かこのキャラ…」と思わされていたんだけど、意外にもいちばん良かったかな。ちゃんとヒーローっぽい見せ場もあったし、実質主役と言っていい感じだった。
 怪力すぎてコップすら満足に持てないから、金属製のタンブラーを持ち歩いてる姿も、コミカルだけど哀愁が漂っていてよかった。けど、やっぱりコミカルに見えちゃうんだよな…かなり切迫した状況なのに…笑わせようとしてるなら、それはそれで問題だと思うしなぁ。
 見た目では、顔の特殊メイク?は表情も豊富で良かったとは思う。

 とはいうものの、やはり4人のキャラの描きこみ不足に加えて敵キャラのよくわからなさ(家でだらっと観てたせいもあるかもしれないけど…)で、微妙な印象は拭えない。バトルもスケールがデカいようでせせこましいし…「同じ宇宙線浴びたから服にも同じような突然変異が起こった」って理屈も納得できねえし…

 という感じで、もともと期待しないで観たら案の定だった…という感じでした。
 大丈夫かな…リブート版も…