しゅんかみ

隔たる世界の2人のしゅんかみのレビュー・感想・評価

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
5.0
隔たる世界の2人

あるアフリカ系青年が、家から出てタバコを吸っていると特になんの理由もなく白人警官に取り押さえられ殺されてしまう。しかし彼は再度目を覚まし、同じ1日を繰り返す…といういわゆる「ループもの」。
たった30分の中で、アメリカでのアフリカ系差別の構造がある程度分かってしまう上に極上に面白いショートフィルムだった。アカデミー賞受賞も納得だけど、ループものというよくある設定を考えると驚きもある。

とはいえ、そのループもの構造を物語のテーマにここまでうまく落とし込んでいるのは他になかったのではないかと思えるほどだった。
通常のループものはいかにそのループ構造からの話になるし、この映画も一見そのように見える。でもそれが現実に解決していない問題だとどうなるのか…というのが話のキモで、終盤の展開はつい「おぉ…」という声が出てしまった。

この短い中でも笑いがあったり、かと思えば〇〇がアフリカの形になっていてゾッとしたり、観れば観るほど素晴らしい作品だった。ネトフリ民必見。