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ミッドナイト・イン・パリのぜんのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
4.4
【1920年代のパリにタイムスリップ⁈雨降るパリの街は美しい】

ウディ・アレン監督の代表作

印象的なポスター。
半分が絵画、半分が普通の写真で描かれている。
絵画で描かれている夜空は、
フィンセント・ファン・ゴッホの『星月夜』である。

主人公のギル(オーウェン・ウィルソン)は、
懐古主義者で1920年代のパリに憧れる小説家である。
そんな彼が婚約相手のイネズとその両親と一緒にパリに。
夜にギルは一人夜のパリを歩いていると、
深夜の鐘とともに車が止まった。
誘われるままに車に乗ったギルが着いた先は、
なんと憧れた1920年代のパリであった。
ポスターに描かれているように夜になると昔のパリに行き、憧れの芸術家に会う。

僕は本作で印象に残ったギルのセリフがあります。

「現在には不満を感じるものなんだ。
 なぜなら、人生って不満を感じるものだから。」

主人公のギルは1920年のパリに憧れる。
一方タイムスリップした1920年代で、
ギルが好きになった女性アドリアナ。
彼女は1890年代のパリに憧れていた。

このように私たちにも憧れの時代や土地があるのでは
ないでしょうか。
僕は、北欧に住んでみたいですし、時代でいうと
バブル時代を体験してみたいです。
「あの頃は、良かった」という人も多いですが、
それはその人の思い出が良い記憶として残っているか、
経験したことのないことに関しては、
想像の中で美化して映し出されているからではないか。

海外の人からしたら日本に住んでみたい。
数年後の私たちも今の時代が良かったと思うかもしれない。

過去に浸ることで戻れることはない。
映画では美しい街や時代に浸っていたいが、
また数年後に「あの頃は良かった」
そう思えるように現在を過ごしたい。

本作では一度は名前を聞いたことがある作家や画家が
多く登場する。
芸術家について知識を深めてから見るとより
本作を楽しめるかもしれません。

雨の日のパリを歩いてみたいものです。
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