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アキラ AKIRAのぜんのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
3.8
【2020年東京五輪を予言。大人向け近未来SFアニメ映画】

2020年。東京五輪。
そして中止になりそうな現状。
それを予言してことで話題の映画。

近年では日清カップヌードルのCM
「FREEDOM」でも記憶に新しい。
そして、2020年。
4Kリマスター版が公開されている。

観終わった後、面白さよりも
衝撃が強かった。
1988年公開でここまでの
作品ができるのかと。

監督は原作の作者でもある
大友克洋さん。
製作期間3年。総製作費10億円。
作画枚数に至っては15万枚。
どれをとっても当時としては
破格である。
ちなみに日本のアニメ映画での
製作費平均は1~3億円くらい。
本作にかける思いが感じられます。

*あらすじ*

1988年。第三次世界大戦から31年後
東京五輪を翌年に控えた2019年。
東京湾に作られた「ネオ東京」が
本作の舞台。

世界大戦から復興が進んでいるが、
政府の税金政策失敗により、
デモが起きている。

主人公は孤児で擁護施設で育った
「健康優良不良少年」金田。
金田は仲間の鉄雄、甲斐、山形
とともに暴走族であり、
敵の暴走族である「クラウン」
とバイクで抗争。

その途中で仲間の一人の鉄雄が
顔は老人の超能力を持った子供と衝突。
負傷した鉄雄は政府に連れ去られる。

鉄雄は衝突により超能力が目覚める。
実験体にされた鉄雄はラボから逃げ出す。
クラウンに襲われ金田に救われた鉄雄。
突然苦しみだし「アキラ」と叫びだす。

再び政府に連れ去られた鉄雄。
仲間である鉄雄を助け出すため金田は
テロ組織に潜り込むのであった。
「アキラ」とは一体何なのだろうか。

*総評*

正直に言って初見では
理解が難しいところもあったが、
滑らかに動く映像。
ネオ東京という街の世界観。
魅力的な人物とセリフ。
素晴らしかったです。

原作全6巻を2時間の映画に圧縮して
伝えないといけないため、
一部の設定は軽く触れられる程度
であったため原作を見てからだと
より楽しめるのかもしれません。

観る前は「AKIRA」がジャケ写の
金田だと思っていた人は、
僕だけではないはず。。

そして音楽。
鳥肌が立ちました。
感動によるものではなく、
絶妙な不気味さによって。
「芸能山城組」が
音楽を担当しているみたいですが、
映画の世界観とマッチしていて
良かったです。

そして金田の乗る赤のバイク。
かっこよすぎます。
バイクは乗らないですが、
欲しくなっちゃいます。
あのスピルバーグ監督も
金田のバイクが好きらしい。

また時間があれば原作を読んで、
観返したいと思います。

アニメ映画は子供向けのものが
多いですが、
本作は大人でも楽しめる作品ですので
ぜひ観てみてください。
ぜん

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