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鉄腕ジムの河のレビュー・感想・評価

鉄腕ジム(1942年製作の映画)
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実話らしい。原題は『紳士ジム』で、違法に男同士で殴り合っていたボクシングが紳士のスポーツに変化し、その中で紳士のボクシングを体現した主人公。機転をきかせて状況を自分の有利なものに変えてしまうという主人公の特性が、フットワークによって攻撃を受け流しカウンターとしてジャブを打つというスタイルと対応している。冒頭、ボクシングはある種下層の人々のスポーツであり、上層の人々のクラブとはわけ放たれているが、主人公は下層から銀行員に成り上がり、さらに臨機応変な行動でクラブの会員にまでなる。そして、ボクシングが紳士化することで、上層の人々と下層の人々がボクシングの間とその前後だけ同じレイヤーに存在するようになる。水上の試合、椅子によって破裂する窓からのラストが良かった。編集がドン・シーゲルらしい。
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