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イヴの総ての河のネタバレレビュー・内容・結末

イヴの総て(1950年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

常に演技をしているイヴに対して、マーゴはむしろ常に演技をしていないという対比がある。そして舞台裏でも演技ができることが、それのできないマーゴたちに対するイヴの優位に繋がっている。ラスト、イヴはマーゴと重ねられ、その後の転落が示唆される中、マーゴに対するイヴのような存在が現れ、同じような存在が無数にいることが鏡によって示されて終わる。『市民ケーン』と併せて見れば、新聞王の位置にいるのは新聞コラムを書いている批評家。この映画において武器となるのは舞台裏での行動であるため、表に出すことのできる批評家が権力者となる。イヴが演劇界で成り上がるための陰謀を批評家の協力のもと実行に移す裏で、批評家も同様にイヴを掌握するために動いていたことが明らかになる。そしてラスト、批評家はイヴを捨て、次のイヴの掌握のために動こうとしている。
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