てる

ブルーベルベットのてるのレビュー・感想・評価

ブルーベルベット(1986年製作の映画)
3.2

この曲知ってる!
冒頭で抱いた感想だ。やはり名作に名曲は付き物だ。作品は観ていなくても、その作品の挿入歌や主題歌は聞いたことがあるというのはよくある。
映画好きを公表している私としては、そういった有名な曲を使用している未鑑賞作品を少しでも減らすように努めなければならないとは常々思っているところではある。

火遊びには気をつけよう。そんなテーマの作品でした。
好奇心から事件に飛び込み、思わぬラッキーがあったものの、それとは裏腹に命の危険に晒されるような事態になってしまう。最終的には持ち前の行動力と機転の良さで、危機を回避する。
この作品を観て、私が感じたのは、危険なことからは遠ざかった方が良いということだ。

ジェフリーは運が良かった。もちろんそれだけではないのは確かだが、それはフランクが油断していたからに過ぎないし、いつ殺されてもおかしくはない状況だった。
好奇心に火がつき、探偵ごっこをして事件に深入りしてしまっていた。気になるサンディの気を引こうと、得意気に探偵ごっこの成果を語る姿はかなり危なげだった。さらに、被害者であり魅惑の歌い手のドロシーと秘密の関係を持ち、万能感に浸り、舞い上がっていたことだろう。その後、手痛い目にあうが、命を取られることなく済んでいる。最後は自らの手で悪者を退治し、サンディも見事奪い取り、大団円だ。
何だか上手く行きすぎて、今後の彼の行く末が心配になってしまう。この事件で味をしめ、万能感に浸り、危険なことに首を突っ込んだりしているのではないか。
たぶん、こんな風に作品を観るのは違った見方なのかもしれない。でも、そんな風なことが気になってしまった。

それにしてもデニス・ホッパーの演技は凄かった。完全に異常者だった。サディストの変態野郎だった。
結局、彼が何者でどうしたかったのか、あまりよくわからなかったが、アウトローな世界で生きるヤバイやつってことはわかった。
調べたら、デニス・ホッパーは薬物依存症から立ち直っての復帰作だったらしい。監督に熱烈オファーを出して、役を獲得したらしい。それは正にうってつけの役だった。さらに、この役で様々な賞に輝き、見事に返り咲いた。
確かにそれだけのことはある。

サスペンスというか妙な作品ではあったが、面白い作品なのは間違いない。バイオレンスクライム青春エロティックサスペンス。刺激が強すぎる青春ムービー。
デヴィッド・リンチの入門編と誰かが言っていたけど、正にその通りだ。また、デヴィッド・リンチの作品観てみようかな。
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