てつこてつ

フレイルティー/妄執のてつこてつのレビュー・感想・評価

フレイルティー/妄執(2001年製作の映画)
4.5
こういったオカルト心理サスペンスといった分野では、この作品は傑作だと思う。これが俳優ビル・パクストンの初監督作品だとは、とても思えない。

連続殺人の犯人は自分の弟だと、突然FBI捜査官の元を訪れた一人の男。男の話は少年時代に遡る。父と息子二人の三人家族。父はとても優しく頼もしい存在であった。だが、そんな父がある日突然、神の啓示を受けたと兄弟に話し、悪魔が取り憑いた人間を自分たちの手で斧を使い、一人一人手に掛けていかねばならないのだと言う。幼い弟は父の言うがまま連続殺人の手伝いをするが、思春期に差し掛かろうとする兄には道徳的観念から抵抗感を覚えずにいられず・・・。

これは、最初から最後まで目が話せないほどストーリー展開が見事で、最後のオチには唸ってしまった。

役者陣の演技も見事で、父親役を演じたビル・パクストンもさながら、大人になった「兄」役のマシュー・マコノヒーは、アクションや恋愛映画のイメージをひっくり返すような素晴らしい演技。子供時代の兄弟を演じた二人の子役も上手い。

血は全く描写されないのに、スティーブン・キングに「最も恐ろしい映画」と言わしめた評判の偽りなし。
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