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お茶漬の味の一のレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
4.1
小津安二郎監督作品

生まれも育ちも価値観も異なる夫婦が、そのギャップに悩みつつ、和解するまでを描く

めっちゃくちゃ面白かったし全体的に可愛い映画でほっこりできる感動作

やっぱりすごい
言っちゃえばただ中年夫婦の倦怠期を描いてるだけなんだけど、そんな日常を淡々と小津らしく、ユーモラスかつ可愛らしく映すもんだからすっかりこの映画の虜になってしまった

常に小馬鹿にしてるような会話も妙に面白いし、現代でもこういう女の子って全然いる👌🏻笑

ひとつひとつの美しいカットは当然ながらも、他の作品に比べるとそれほど印象強くはなかった
しかし衣装や小道具の細部にまでわたり効果的に使ってくるあたりもさすがです

なんといっても、ロメール作品に出てきそうなくらい身勝手な女性を、木暮実千代が見事に演じきっているのも素晴らしい
美しくも冷たい視線で意地悪な感じが凄くリアルだし、それを寛大な心で受け止めてくれる佐分利信の優しい眼差しもたまらん

お茶漬けを食べながら気持ちを伝え合うシーンめちゃくちゃよかったなぁ
「夫婦はこのお茶漬の味なんだよ」
この名ゼリフも痺れたなぁ…

観れば観るほど味が出てくる小津作品はやっぱり最高ですわ…😢👏🏻

〈 Rotten Tomatoes 🍅93% 🍿88% 〉
〈 IMDb 7.7 / Metascore - / Letterboxd 4.0 〉

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