あーさん

お茶漬の味のあーさんのレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
3.3
小津安二郎監督作品、初鑑賞

モノクロ、1952年の作品。
とても期待して観たのだが…。
残念なことに私の肌には合わなかったようだ。。

天下の小津監督の作品の良さがわからないというのは、ある意味自分の感性がおかしい?と疑ってしまいそうになる…。
「東京物語」とか「秋刀魚の味」とか別の作品から入ったらまた違っていたのだろうか。
実際、小津作品をオマージュした岩井俊二監督の短編映画”毛ぼうし”はとても面白かったので、世界観が苦手なわけではないと思う。。

まず、木暮実千代の役がダメだった。表情が冷たい。会話に気持ちが入ってない。おそらく結構な歳なのにワガママで好き勝手しているのが鼻につく。佐分利信の役の夫もダメ。鷹揚と言えば聞こえは良いが、どんな無茶を言われても奥さんや上司の言いなりで…事なかれ主義?サラリーマンはああでないといけないのか?尻に敷かれた夫?会話もしないし、全然魅力的でない。
昭和の時代は好きだが、ちょっと違う…。ブルジョワ家庭のいざこざなんて全く興味ない世界。
お手伝いさんが二人いて、子どもがいなくてお料理もしなくて奥さん普段何をしてるの?嘘ついて温泉に友達と姪と繰り出して、気づかない(と思っている)夫のことを「鈍感さん」なんて悪口言ってどういうつもり?
嘘つかれても、急な海外出張になり実家?に帰った奥さんに帰ってこいと電報打ってるのに無視されても、「君らしいね」とか言って奥さんに甘々の夫。どうでもいいの?ぜーんぶわかってるけど見守ってるの??それだったらかなり器大きいけど。。
そこから急展開で奥さんしおらしくなられても…。お茶漬食べてはい、うまくいきました、夫婦はお茶漬の味みたいなもんだ、なんて言われてもどう納得すればいいのか…。置いてけぼり。。
姪役の津島恵子とノンちゃん役の鶴田浩二の若い二人のカップルの方が観ていて楽しかった。女性が拗ねたりプンプンして可愛いのは20代まででは…?
あと良かったのは元戦友であるパチンコ屋の主人、笠智衆の笑顔。
女の人達の顔と会話がツンツンして怖かったので、少し和んだ。

ファンの方、こんなレビューでごめんなさいm(_ _)m
カメラワークとかきっと色々いいところはあるのだろうけれど、私には見つけられなかった。
逆にコメディだと思って、お茶漬の味ごっこをしてみたら案外楽しいかもしれない。。
次回違う小津作品にトライしてみようと思う。。
あーさん

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