ケーティー

スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲のケーティーのレビュー・感想・評価

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めくるめく展開、ユーモアのある会話、フォースの精神性など、スペクタクル性こそ他の作品と比べ弱いものの、溢れんばかりの魅力のある作品。


改めて観ると、エピソードⅠ~Ⅲに比べると、映像技術で時代の違いを感じる。しかし、それでもなお、当時の技術で成立させてしまっているし、映像的な制約をシナリオの技で補ってしまう凄さもある。物語の前半など、派手な戦闘シーンもなく、ずっと雪原での話が進むのだが、それでも飽きないのはシナリオが巧みだからだろう。

登場人物のセリフもウィットに富んでいて、これでもかこれでもかとレイアに求愛するハン・ソロ、そして二人の掛け合いも面白い。

また作品の骨格には、アナログ対デジタルのような構図がある。
スター・ウォーズの見せ場の1つに、次から次へと頭脳戦が展開される戦闘シーンがあるが、そこでもそれは現れている。反乱軍が負ける場面でも、アナログな知恵で最後の最後まで奮闘するのである。
例えば、雪原での戦闘シーン。最新鋭の機械で攻撃してくる帝国軍に対し、ルークらは、ロープを使って攻撃し、しばらくして巻き返されても、今度は機械を捨てて、爆弾を人力で仕掛けて応戦するなど、言わばデジタルで自動化された敵の攻撃の盲点をついていくのである。
他にもファルコンが隠れるシーンなど、古典的な知恵やとんちで応戦する反乱軍の楽しさ・面白さに改めて気づかされた。

そして、このアナログの代表格こそ、言うまでもなくフォース。本作で描かれるフォースには、その精神性の深さを感じる。特にヨーダが初めてルークと出会ったときの対応がよい。
少しでも早く教えろ、関係ないやつはどうでもいいと振る舞うルークをヨーダが諭すのである。そして、ルークを鍛えていく。

しかし、終盤でヨーダとオビワンの反対を押切り、ルークは旅立つ。(※)ここも、前より修行は重ねているものの、それでも旅立つルークの姿が印象的である。エピソードⅥでのルークとヨーダが、その後どのようなやり取りをしていたかが詳しく思い出せず、このあたりの件をどう受け止めていたのか、もう一度観て確めたいと思った。


※エピソードⅧで、今度はルークが旅立てと諭されているシーンは、このあたりのエピソードを踏まえているのだろう。