sayas

善魔のsayasのレビュー・感想・評価

善魔(1951年製作の映画)
3.6
三國連太郎が三國連太郎を演じるというデビュー作。そしてそのまま芸名になったという。ほ~顔整ってること。スーさん、若かりし頃こんな端正な顔立ちだったとは。
日本の映画のはずなのに滑舌の問題や早口で聞き取れないセリフがしばしばあったのは置いといて、『善魔』という言葉の意味とは何だろう。
自分の考えがいつも正しいと信じている者、自分の思想や行動が決して間違っていないと信じている者、そしてそのために周りへの影響や迷惑に気付かぬ者、そのために他人を不幸にしているのに、いっこうに無頓着な者を善魔という。
(『生き上手 死に上手』の中の「無明のなかの光)
いつの時代にも独善主義はいるものだなあと。思い返してみれば過去にそんな人いたっけなーと頭に浮かんだり。

みかちゃんとあまりにも悲しい祝言を挙げる三国。
友情という名の隠れた男女の思いを背に立ち去る男、これで良かったのよと募る気持ちをないものにして見送る女。
物語はパッとしない印象ではあったものの哲学的に善悪は表裏の関係にあるということを伝えてくれる作品であった気がする。
sayas

sayas