ひでやん

JAWS/ジョーズのひでやんのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
4.1
再鑑賞。

平和なビーチを襲う人食い鮫の恐怖と人間の死闘を描く。

冒頭、女が一人海で泳ぐ。その身体を水中から見上げるように映すだけで、鮫の視点を思わせる。ジリジリと恐怖が迫る音楽、水中へと引きつけられる力、もがく水しぶき、そして血。

鮫の姿を一切映さずに、一人目の犠牲者をスリリングに描く演出が見事。一人、また一人と鮫の餌食になるが、その姿は見えないまま。

ヒレかと思いきやオッサンの水泳帽、悲鳴かと思いきや肩車のじゃれ合い。ショートケーキの苺は最後まで取っておき、少しずつスポンジを削るように観客をじらし、フェイクで遊ぶスピルバーグ。

巨匠に対して今更なんだけど、観客を驚かせる演出が実に巧い。

市民の命を守るため遊泳禁止を考える署長に対して、夏は儲け時だ、海開きだと言う市長。そんな2人がコロナ禍の日本と重なった。

命と経済、一方を守ればもう一方が窮地となるジレンマだ…。

そして海開き。Go to the beach!

大勢の人々が海水浴を楽しめば、そりゃあヤツが来る。海面に突き出た黒い三角形、それだけで恐怖の世界と化し、パニックになる。

ジョーズが上手に丈夫な上部のヒレ出した。

どんな姿なのか?大きさはどれくらいあるのか?終盤の死闘でついにその姿を現す。傾いた船に巨大な鮫が乗り上がるクライマックスは衝撃的だった。
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