yukihiro084

フェノミナンのyukihiro084のレビュー・感想・評価

フェノミナン(1996年製作の映画)
4.0
アカデミー賞を観ていて、
故人を偲ぶ(イン メモリアル)に
(ケリー・プレストン)の名前があった。
あぁ、と、ジョン・トラボルタを想った。
これでジョンは、最愛の妻と息子を
亡くしたことになる。乳がん。
発病して2年。どんな2年だったんだろう。

ジョン・トラボルタ。
みなさんのジョン・トラボルタは
どの作品のジョン・トラボルタですか?
今ではすっなり悪役のイメージが
定着した感のあるトラボルタ。
クリスチャン・スレーターを完全に
食ってしまった(ブロークン・アロー)、
ヒュー・ジャックマンが霞んでしまった
(ソード・フィッシュ)、
もはやトラボルタの印象しか残って
いない(パリより愛をこめて)、
作品の出来云々ではなく、語り草になった
ニコラスとの共演の(フェイスオフ)、
デンゼル・ワシントンと対峙した
(サブウェイ123)。
アクの強いヒール役の印象が大きい。
そして、(パルプ・フィクション)の
ヴィンセント役も忘れてはいけない。

80年代から90年代の、
(タッチストーン・ピクチャーズ)の
ロゴは、いい映画、楽しい映画の
証だった。

フェノミナン。
ある善良な男ジョージは、今日も
友人たちと楽しく飲んで、好きな
女性にアプローチするも、その彼女に
振り向いてもらえない。
そんなある晩、あることをキッカケに、
天才的な能力を手に入れ、ついには
超自然的な能力をも手にする。
小さな街の、小さなコミニティー。
古今東西に関わらず、その彼の変化は
その小さなコミニティーに影を落とす。
それでも彼は街の人たちに、
友人のために。好きな女性のために、
その親しみと善良さを変えずにいる。

ジョージの友人にロバート・デュヴァル
に、フォレスト・ウィッテカー。
ジョージが好意をよせる女性は
キーラ・セジウィッグ。
(旦那さんはケビン・ベーコン)

3人とも好演していて素敵だ。

これはとても小さな物語だ。
想像してみる。僕は小さな街の
馴染みのバーで、友人に囲まれている。
(それだけでもう幸せではないか)
僕はたまたま知り合ったシングルマザーの
訳ありの女性に恋をしている。
恋はなかなか始まらない。
(想像ね、想像。)
僕はどこにでもいる普通の男だ。
普通の男の物語。多くを望まない。
そう、物語の骨格は
(アルジャーノンに花束を)に似ている。

ジョン・トラボルタ、実は笑顔がいい。
そして、彼は善良な男がよく似合う。
頑張れ、ジョン。まだまだスクリーンで
その笑顔を見せてくれ。天国にいる
ケリーにもその笑顔がよく見えるように。
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