若い頃にリバイバル上映をスクリーンで観てから「完全版」も含め数え切れない程観ている(笑)
たまーにTVで放映されていると今でもついつい観てしまう。
観るたびに思うのは砂漠の美しさと厳しさ、雄大な自然をこれでもか！と言う位のロングショットで映すデヴィッド・リーン監督の潔さ、そしてピーター・オトゥールの青い瞳の美しさ。
第一次世界大戦当時、世界各地に植民地を持っていたイギリスは、オスマン帝国(トルコ)の統治下で不満を抱えているアラブ人達を支援してイギリスに有利になるようアラビア半島にロレンス将校を送り込む。
オスマン帝国からの独立を指揮するファイサル(初代イラク国王)の軍事顧問となったロレンスは幾つかの作戦を成功させ、アラブ人からも一目置かれる様になった。
しかしこの後イギリス軍の上層部は、ロレンスもアラブ人をも裏切る様な外交を展開してのいくのです。
そして砂漠とアラブ人を心から愛したロレンスはイギリス軍からもファイサル国王からも無用な人間になっていく。
ストーリーは実在のトマス・エドワード・ロレンスの著書に脚色を加えたものとなっているけれど、アラブ側は違った見方をしているらしい。
細かい史実関係はどうあれ現代では到底作り出せない多くのシーン、ロケーションに息をのみ、壮大な音楽に感動する。
同監督の「ドクトル・ジバゴ」でロシア人を演じたオマー・シャリフのアラブ人のアリの見事な演技も素晴らしい。
そのアリと初めて会った時ロレンスが言った「部族同士がお互い殺し合ってる限りいつまでたってもアラブ人は愚かな民族にすぎない」という台詞が印象に残る。
