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平手造酒のmingoのレビュー・感想・評価

平手造酒(1951年製作の映画)
3.7
新文芸坐の橋本忍特集にて鑑賞。
平手酒造てタイトルからするとお酒屋さんの話か何かかなて想像してたけど、結核を題材にした朽ち果てる武士の時代劇だった…「ひらてみき」て読む。

この時代の東宝の時代劇にほぼハズレはないので細かいことは言わずに見て欲しいのだけど、「羅生門」の脚本(ちなみにトークショーこ野上照代氏曰く当時のお金でギャラは10万円という安さだったらしい)でヒットしたのち黒澤明に下宿先を紹介してもらって作ったのが本作だけあって気合を感じる一本になっている。

山村聡の「女は悲しいときに泣けるから良いな」という一言目の台詞がこの作品の良さを物語っている。
橋本忍2番弟子の中島丈博氏曰く、23歳のとき橋本忍さんのところに行って、9時から18時までひたすら座り続け、そしたら急性リュウマチになってしまって、(注射一本で治った)、当時の脚本家は忍耐と同時に机に向かうことの重要さが感じることができるエピソードであった。
また氏の橋本忍分析として、「歌舞伎・浄瑠璃の伝統を踏まえた上である種のレトリックの塊」という言葉が印象的。
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