広島カップ

網走番外地 北海篇の広島カップのレビュー・感想・評価

網走番外地 北海篇(1965年製作の映画)
3.6
網走刑務所を仮出所した橘真一(高倉健)は金目的で北海道の雪深い雪原の悪路をトラックである荷物を運ぶ仕事を引き受ける。
荷台の怪しい荷物といかにもワルい風体の二人の男を乗せ、また助手席に依頼主の娘(大原麗子)が乗り込んで釧路を出発した。
道中これまた謎の男、訳あり女、怪我をした子供とその母親などを載せてトラックは行く。なんだか雪原を走る『駅馬車』(1939)風の物語で結末はどうなるのかと非常にワクワクする前半。幌に"王子運輸"とあるトラックが渋い。
嗚呼だがしかし折角魅力的な人物を集めたのにクライマックスの高度が中途半端だったのがくやまれます。
もっと色々絡めた、詰め込めた、高みに行けたのではないかと思います。

喧嘩が強く義理人情に厚い健さんは相変わらずの格好良さだし、鬼寅親分(嵐寛寿郎)の神出鬼没で何処となくコミカルな味も冴えています。
なんであなたはソコに居るの?突然何処から来たの?あなたはもしやオニトラオヤブンでは無くてウルトラセブン?

悪そうで魅力的な出演者多数の本作にあってなんといっても本作出演時に19才だったヒロイン大原麗子の存在が際立っています。
ベリーショートで、キラキラした目とプリンプリンの唇。こんな娘をワルだらけの暗く寒い雪原の活劇にポンと放り込んで来て、その場だけ冷たい雪を溶かします。
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