ニャーニャット

仮面/ペルソナのニャーニャットのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
3.4
1967年にここまで作家主義的で実験的な作品が撮られていたことに驚かされる。ゴダールたちが持て囃したのも頷ける。シュールレアリズムとはまた違った非常にソリッドな雰囲気。カメラワークも単調で特に演出的に優れてるわけではないんだけど、鬼気迫るものがある。
また、ユング心理学などでおなじみの「ペルソナ」概念を元ネタである役者の演技と組み合わせて見事に人間の真理を炙り出している。

あんまり関係ないけど、ゴダールが『映画史』の本の中で『仮面/ペルソナ』についての講義の章で、『仮面/ペルソナ』の一部のシーンを上映後、『沈黙』と間違えちゃってた、っていうか今までずっと『沈黙』のことを『仮面/ペルソナ』だと思ってた。つまり、『仮面/ペルソナ』観たことないんだよね…みたいなこと言ってその後ぜんぜん関係ない話始めてたのには笑った。