しろくま

てなもんや三度笠のしろくまのレビュー・感想・評価

てなもんや三度笠(1963年製作の映画)
3.3
《住吉大明神様》
〝南無南無…。あっしは他の欲張りみたいに、あれやこれや願い事はせえしません。お願いしたいのはたったの三つでございます。まず第一は日本一のやくざになることでございます。二番目は…〟

〝お金がじゃんじゃん入ってくること。三番目は、綺麗な姉ちゃんにモテること〟そんな欲深くてチャラいあんかけの時次郎を演じるのは、若い頃の藤田まことさん。いい加減なお調子者って感じだけど、その軽妙さがウケて〝てなもんや三度笠〟のテレビ番組は高視聴率をマーク。日曜日の夜のお楽しみ番組だったんだよなあ。

映画版では、いつものメンバーに豪華ゲストも加わって懐かしさMAX。お笑いのアーカイブ映像を見ているようなお得感。そして、笑いもマシマシになるのかと思ったら…。それほど盛り上がらないのは何故?お笑いには流行り廃りがあって、あの当時受けたギャグも旬の時期を過ぎると、それほどでもなくなるってこと?Youtubeのテレビ映像と見比べて分かったのは、テレビ版は吉本新喜劇のように舞台上のお笑いを客席のお客さんと一緒に楽しむスタイルってこと。テレビ版の方はギャグやコントに客席が大笑いしたり拍手をしたりしてめっちゃ盛り上がっていたのに、映画では笑い声や拍手がないってことが影響しているみたい。お笑いもライブ感が大事なんだね。

映画版のお勧めポイントは、白木みのるさん演じる珍念さんとの出会いから絆を深めていく過程が丁寧に描かれているところ。二人の珍道中は楽しいね。それに〝海道一の清水の次郎長〟を倒して名を上げたい連中との共闘もいいな。花菱アチャコさん演じる謎の老人の正体にもビックリ。あの決め台詞〝俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー〟がちょっと違ってたのは大人の事情だから仕方ないね。

視聴メモ:2023.12.18/184/東映時代劇Youtube
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