ほとんど監督のことを知らないのに，イジー・メンツェルの傑作選をジャケ買いしてしまったのですが，この作品は素晴らしく良かったです．
チェコの農村における人間関係を，コメディチックに描いた映画ですが，主人公2人のキャラクターはもちろん，ドクターや不倫する友人たち，年上の女教師に憧れる主人公の息子など，農村全体の人物像が絶妙で，引き込まれました．
また女性の扱いに関する小話など，社会主義政権における社会の変化という意味でも，興味深いシーンが満載でした．
歩調を合わせるエピローグとプロローグで，主人公2人の関係が変化したことを暗喩する手法は，使い古されていますが，幸せな気持ちになりました．
チェコの風景は，中欧らしく明るい平野で，ロシアの広大な自然とは大きく異なりますね．いつか行ってみたいものです．
