まぐ

スウィート・ノベンバーのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

スウィート・ノベンバー(2001年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

よくまとまった話ではあるけど、いまひとつパッとしない印象でした。
「この先どうなるの?」と見ている人を引きつける展開がかなり後半までないので(それもだいたい読めてしまうので弱い)、話に締まりがなくだらだら進行してしまいます。主人公が早々に全てを失ってしまうので、全てを捨てきる前にサラと付き合い始め、どちらを取るかのハラハラで引っ張るとか出来なかったかな…
サラの弱さが見えて来てからはようやくキャラに愛着が湧き、見れるようになりました。


不治の病、というのはありがちな設定ですが、そこから発展させて月一で恋人を交換するという設定が面白かったので、そこをもーちょい掘って展開に活かして欲しかったです。


この映画はパッケージをみて借りたのですが、画に関しての満足度は高かったです。主人公が孤独に向かう時は青く、サラに向かう時はオレンジがかった画面は美しかったですし、衣装がレトロですごく良かったです。でもやっぱパッケージの威力がずば抜けて高すぎる。最高です。パッケージだけなら、全映画で一番好きかも。


シーンでいうと、ネルソンが潜水艦少年を雇ってアブナーをヨットレースに勝たせるシーンが好きです。ネルソンの、まだ完璧や勝利にこだわる姿勢も垣間見え、意外にに深く読めるシーン。
サラとただならぬ関係に見えた隣人が実はニューハーフだった、というのも良かった。
あとは目隠しして相手を探すゲームも。何度もやるうちにネルソンも慣れてきてサラを捕まえられるようになって来ますが、ラストシーンではサラの気配を感じることが出来ない。切ない別れを象徴する印象的なシーンでした。あそこで風が吹くのも良いですよね…11月が終わった、という感じがして。

全体的に雑というか惜しみないラブシーンをもう少し大事にして、設定のオリジナリティをうまく活かせば更に印象に残る映画になっていたかもしれません。
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