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セービング・バンクシーのまぐのレビュー・感想・評価

セービング・バンクシー(2017年製作の映画)
1.9
バンクシーに興味を持ち初めて見たので詳しいわけではないが、この映画の構成に疑問を覚えた。


バンクシーの絵を保護する人々を正義と完全に位置付けているが、違うでしょ…

もしバンクシーが本当に末永く多くの人の目に触れてほしいという思いで作品を作っているならば、壁をキャンバスにするはずがない。撤去されたり上書きされることもバンクシーのメッセージの一部なのでは?
一般市民の目に触れるべきなどといっておきながら、実際は
「こんなに価値のある絵が価値のわからない人間に消されてしまうのは勿体ない!もっとみんなに見てもらうために俺が保存しなければ!」
なんていうのは極めて「アートオタク」に傾倒した考え方だと感じた。


結局、お金を儲けるためにバンクシーの絵を手に入れたがる美術商と、
アートオタクに傾倒した考え方でバンクシーの作品を保存する人々は、
目的の違いはあれどやってることにたいした違いはないのではなかろうか?


このように、作者の意思が不明だからこそ、バンクシー作品は深読みができて面白いのだろうな、と感じました。
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