うみぼうず

ピストルと少年のうみぼうずのレビュー・感想・評価

ピストルと少年(1990年製作の映画)
4.0
けっこうこの監督の作品は好きかもしれない。
拳銃きっかけに奇妙なロードムービーが始まり、どう進むのか分からない危うさとジャズ風の高音の音楽がマッチしている。少年の衝動的な感情の機微もよく分かり、人・家族との繋がりを欲している寂しさに起因していて共感はできなきけど同情はできる。

だからこそ刑事のジェラールは"いいデカ"としてマルクに接していたんだろうし、一人の人間としてみているから約束もする。約束を破るマルクの未熟さに呆れつつも、でも中学生なら確かに混乱するし恐れもする気持ちはよく分かる。
その2人にもう1人が加わることで歪な関係が成り立ち、寂しさを抱えるマルクにいくらかの希望を持たせていく…。めちゃくちゃ生意気だけど、ストーリーが進むにつれ可愛げのある生意気に見えてくるから不思議。けれどこの先も無軌道さが心配でもある。
『ポネット』もそうだけど、ドワイヨン監督は子どもの心理を表すのが巧みだなぁ。
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