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テルマエ・ロマエの群青のレビュー・感想・評価

テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)
3.2
私が書き記すはある異民族のテルマエである。彼らは我がローマ人の奴隷でありながら、テルマエに関しては我らのそれを遥かに凌駕した技術力と独創的なアイディアを持っている。ここに書き記し偉大なるローマ帝国の礎にしよう。

まず、テルマエには奴隷による泡立てをして程よく筋肉をほぐしてくれる。また壁面には山を描くなどして開放感を味わさせてくれる。さらに頭の洗剤で目が汚れぬよう柔らかい帽子を活用している。そして出てくるお湯を活用するためホースに通し自分の洗いたい部分を洗えるようにしているのだ。どれも我がローマ帝国にはなかったアイディアである!
そして彼らはテルマエ以外のものでもテルマエに関係するものならば同様の情熱を注いでいる。テルマエ後の飲料には牛の乳に果実の風味を加え、温まった体に抜けるような爽快感を醸し出している。また、トイレには様々な趣向を凝らしている。

トイレ!このトイレがすごいのである!まず近づけば奴隷が壁の向こうから蓋を引っ張り、自動で開けてくれるのだ。そして心地よい音楽をこれまた奴隷達が演奏し、快適な空間を演出するとともに自らの便の音さえもかき消してくれるのだ。パピルスには文字が書き込まれ、便の時でさえ勉学に事欠くことはない。シャレでなくだ。そして全てが終わった時、奴隷たちが望む場所に水をかけてくれるのだ。スピード、量、全てが恍惚へと繋がり最後まで快適さを忘れない。

これらのアイデアがあればハドリアヌス様やアントニヌス様も喜ばれるであろう。


彼ら“平たい顔族”は心遣いを忘れない。彼らのように生きれば我がローマ帝国はさらなる栄華を極めるであろう。
そうだ、あの平たい顔族の女が我がローマ帝国の暮らしぶりと平たい顔族の独創的なアイディアの数々を穴が空いた円盤に記録しているという。それを見ればここに書き記したことがどれだけ素晴らしいことかわかるに違いない。是非観ることをお勧めしよう!






阿部寛演じるルシウスのモノローグ風でした。面白かったー
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