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唐獅子警察のmingoのレビュー・感想・評価

唐獅子警察(1974年製作の映画)
4.0
く〜〜っそおもしれえ〜最高かよ
まずタイトルの唐獅子警察意味不明すぎて中島貞夫天才。昔の戦隊モノのイントロみたいなダセェ音さえなければ満点ヤクザ映画。腹違いの兄、小林旭vs弟、渡瀬恒彦という最高のW主演に12月に亡くなった安藤昇、若き室田日出男などの脇役たちも画面の中で活き活きと生きる。

安藤昇の「おまえらわしに指一本でも触れてみぃ!日本中の極道を向こうっぷちに立たせることになるんだぜぃ…」痺れた。主役超えちゃいけませんやろ…
それにしても狂犬て言葉が似合いすぎる渡瀬恒彦の猪突猛進が気持ちいい。フランス人にてめぇ日本語喋れぇぇてキレつつも女をいかせるアンタは漢だよ。それに負けじにと「ヤクザもんは親分が親父で、姐さんがお袋や」と睨みとドスをきかせた小林旭パイセンにヒィぃぃい。こんなかっけえ兄がいたらそりゃ弟は兄を超えたくなる。

そして争いは争いを生み、結局のところ向かうところは破滅。ヤクザ映画はこうでないといけまへんなぁ…仁義なき戦いのような実物録よりエンタメの爽快さを内包してたのがこの映画の1番の良いところ。どのシーン切り取っても面白い。関東vs大阪ていうのもアウトレイジビヨンドを想起させるし、松井組の小さい事務所でうどん食うところなんかは龍三と7人の子分たち。武もこの当時の任侠映画好きなんだろうな…

ラストシーンの前の最愛の人に別れを告げる場面では小さい頃「橋の下のブス」と呼ばれていじめられていた女を抱きしめて「お前はもう橋の下のブスなんかやない、最高の女や」といって死地に赴くのはもはやエモさ殿堂入り。

そしてついに地元大阪の路地で予想通りのダブルノックダウン…小林旭が高級車に乗り込んで出来るだけ遠くへ行こうとするのだが、力尽きて車ごと谷底へ転落していくラストはウォルシュとキャグニーの「白熱」並みにある種衝撃を受けた終わり方だった。えぇ〜みたいな

何よりこの時代の任侠映画は役者の顔立ち、佇まい、漢気どれをとっても最高なので今の時代の日和った若者使っても絶対撮れないよな〜なんてことしか思わない。北野武が龍三をギャグ路線にもっていったのもなんとなくわかる…
兎にも角にも中島映画は最高なので次は「鉄砲玉の美学」へ参りましょう。傑作!
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