シズヲ

さすらいのガンマンのシズヲのレビュー・感想・評価

さすらいのガンマン(1966年製作の映画)
4.0
バート・レイノルズ演じるインディアンが主人公という設定が既に強烈。しかもライフルで高速レバーアクションを決めて悪党を撃ち殺すのでかっちょいい。銃撃戦のみならず、身軽なアクションも積極的に披露してくれるから見てて楽しい。ナバホ・ジョー♪ナバホ・ジョー♪と主人公の名を連呼する主題歌もとにかく記憶に残る。

インディアンが“西部を支配した銃”ことウィンチェスターM1873で武装するって発想がもう最高。「本当のアメリカ人はどっちだ?」という台詞など、60年代の映画でありながらインディアンに関する鋭い視点が伺えるのも面白い。役柄に関しては悪役も秀逸。しょっぱなから外道の限りを尽くしてくれるだけに悪役としてのキャラ立ちが凄まじい。インディアンと白人のハーフという生い立ちによって、残忍でありながら複雑な人物像を形成しているのも良い。ヒロインの召使インディアンも美人でグッと来る。

話運びそのものは大味だし、異色の設定な割に大筋も意外に普通。つってもマカロニではよくあること。作劇的にもう少しガツンと来るようなインパクトも欲しかったけど、単純にアイデアだけでも十分秀逸。あくまで娯楽作に徹しているとはいえ、マカロニでインディアンを主軸にした映画が撮られていたのは興味深い。というか「ソルジャー・ブルー」とかよりも先に作られていることにたまげた(更に遡れば「折れた矢」とかのが早いけど)。
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