メル

第三の男のメルのレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
3.7
テーマ曲も題名も有名過ぎる作品。

第二次大戦直後のウィーンは、アメリカ・イギリス・フランス・ソ連の4ヶ国に分割統治されていたそうで、そんな複雑な状況の中で何とか生き延びている色々な国籍の人々がとても上手く表現されている。

ジョセフ・コットンは友情と正義の間で揺れ動き、アリダ・ヴァリは愛した男をあくまでも守ろうとする。
オーソン・ウェルズは友人さえも自分の利益の為に利用する「根っからの悪人」にしか見えず残念ながら全く魅力は感じられなかった。

ラストの銃声は他殺か自殺かはっきりさせてない所が面白く、待ってる男の前を振り向きもせず通り過ぎる女は今見ても中々クール。

ヒッチコックやヴィスコンティの作品に主演したアリダ・ヴァリは今作でも美しく、彼女を一生懸命振り向かせようとするジョセフ・コットンがいじらしい(笑)
彼はヒッチコック作品の悪役や、「ナイアガラ」で演じたモンローの暗いイメージの夫よりもやっぱりこんな善良な市民の役が私は好きだなぁ〜と実感(笑)
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