あんがすざろっく

劇場版 天元突破 グレンラガン 紅蓮篇のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

4.5
「プロメア」を観てから、どうしても見なければ気がすまなくなってしまいました。
「天元突破グレンラガン」。

テレビシリーズは時間がかかると思うので、まずは総集編とも言うべき劇場版「紅蓮篇」と「螺巌篇」を。
ウィキによれば、シリーズの1部と2部が「紅蓮篇」、3部と4部が「螺巌篇」になるそうです。


見始めた途端、僕の気持ちは一気に連れ戻されました。
自分の中学時代に。ロボットアニメに夢中になっていた頃に。多分、自分の原点に。

少年と、ロボットと、冒険と、仲間と。
ちょっぴりの色気と。

このワクワクは、僕の中になくなってなかった。
忘れていただけなんだな。
いや、違うな、大人になったつもりで、童心を思い出させるアニメと距離を置いていたんだな。

この作品を好きな方には、ストーリー展開も勿論ながら、あまりにも豊富な名言が魅力だったんでしょう。
それこそ、中島かずきさんの脚本のチカラ。


遥か未来の地球。人々は何百年も地下の穴倉に住処を移し、度々襲う地震と地鳴りに怯えながら暮らしていた。
ジーハ村の少年シモンが、いつものように穴掘りをして宝探しをしていると、ドリルの形をしたペンダントと、顔型のロボットを発見する。
シモンが兄貴分のカミナにそのことを伝えようとすると、天井から地割れと共に、大きな顔を持つロボットと、一人の少女が落下してくる。
少女の名はヨーコ、地上で顔型ロボット、ガンメンと対峙中に落下してしまったという。
シモンは自らが見つけたロボットを起動し、カミナ、ヨーコと共にガンメンに戦いを挑む。

辛うじてガンメンを撃退した三人。
かねてから地上があることを信じてやまなかったカミナは、弟分のシモンを連れ、地上の旅に出る。ヨーコも加えた三人の旅が、こうして始まった。

総集編だけあって、話がどんどん進みます。
カミナ達は旅の途中でどんどん仲間を増やすのですが、その過程はほんの数カットで描かれるのみ。
初見の僕でも、ちょっと早すぎるんじゃない?と感じたんですが、総集編だから致し方ないし、逆にそれだけ、もっと間の物語を見たいと思ったわけです。
これはテレビシリーズを全部見るしかないな‼︎
まだ劇場版は前編だというのに、まさかの展開が待ち受けており、これ後編どうなるんだろう…という位の濃厚さ。

とにかくキャラクターは最高ですね。
カミナが漢気に溢れていて、カッコイイとしか形容できない。
作中の名言のほとんどは、カミナから発せられたと言っても過言ではありません。

「無理を通して、道理を蹴っ飛ばす」

ホント、理屈じゃないんですよ。
ロボットの合体も、理屈でなくて気合で成し遂げてしまう(笑)。
しかし、それが痛快この上ないんです。

一番の主役はカミナの弟分、シモンです。
どうも後ろ向きな性格で、自分に自信を持てない。
僕の中学生だった80年代は、もっと前向きな時代だったんで、アニメの主人公はシモンのように、あんなにイジイジしてなかったんですけどね。
どちらかと言えば、カミナのようなキャラクターが主役に据えられてた記憶があります。
エヴァのシンジ君以降、ああいうメンタルの男の子が主役になるようになったんですね。これも時代だな。
でも物語の主軸は、その男の子の成長に置かれるようにもなって、奥行きができましたね。

悪魔でもこれは、シモンの成長物語です。
彼が自暴自棄になり、失意の中でもがき苦しむ中、少女ニアと出会います。
このニアとの出会いが、シモンを大人にします。
敵に捕らえられたニアにシモンが手を差し伸べた時、僕は体中が熱くなりました。
シモンは男になるんです。

忘れていけないのが、ヒロインのヨーコです。
彼女の健康的な色気は、この作品に絶対必要です。
声をあてた井上麻里奈さんの声はどこかで聞いたことあるんですけど、思い出せない…。
設定上14歳ということですが、僕はカミナ(17歳)と同じぐらいだと思ってました。随分発育の良い14歳…。

他にも魅力的なキャラクターが大勢いて、これはやっぱり全てのエピソードを見たいですね。

「俺を信じろ‼︎お前を信じる俺を信じろ‼︎」

どこかで目にしていた名台詞‼︎まさかグレンラガンからだったとはね。
昨今のアニメ界って、恐らく僕が思っていた以上にクオリティ高いんですね。
童心に返るロボットアニメと距離を置く必要もなかったようです。

忘れる必要なんかねぇだろう‼︎
童心に返る、それのどこが悪いんだ‼︎
覚えとけ、童心に返るってことは、お前の原点を
思い出すってことだろう。
お前には原点があるんだ。
それを忘れるんじゃねぇ‼︎

それこそカミナにハッパかけられそうです。
螺巌篇に続きます‼︎
あんがすざろっく

あんがすざろっく