もやし

息もできないのもやしのレビュー・感想・評価

息もできない(2008年製作の映画)
5.0
すごい。


終盤、やっぱそうなるかあ…と思った。
必然のラストだった。


チンピラ男と女子高生の心の交流。
だが、やはり暴力を使って生きている彼と、暴力に苦しめられた彼女では…
でも彼の過去にもやはり暴力はあったのだ…

放送禁止用語を連発する二人だけど、二人の過去、現在を知れば知るほど、それが必然のような気がしてしまう。


どうしようもなく気の毒な境遇の二人なのに、見ててあまり落ち込まないのがこの映画の変わってるところ。
根本的にロマンティックだからだろうか?
単純に、二人がグズグズしないタイプだからってのもあるのかな。



もう精神的に行き場がなくなって思わず夜中に電話する彼。そして河原で二人は会い、缶ビールを飲む。
このシーンは誰もが圧倒されると思う。

お互い自分の内面を打ち明けるしかどうしようもないのに、つい表面的などうでもいい軽口しか言葉が出てこない。
そして、思わず彼女の膝に。堪えきれなくて、涙。その涙につられて、彼女も涙。ただただ、すすり泣く二人…




俺ロリコンじゃないけど、この映画のヒロインはマジで可愛いと思った笑 高校生にして母性を兼ね備えておられる…笑


そしてこの映画二人で喋るシーンがよくあるんだけど、いつも映ってるのはさほど相性の良くない軽口ばかりで、長く一緒にいる間喋ることそんなになさそうとは思った笑



父親のことが殺したいほど憎いのに、いざ命が危なくなると、必死に病院に連れていく彼が大好きです。
「とにかく生きろ!」
彼の思わず出る言葉がメッセージのようにして響いてきます。
彼は基本何も考えずに喋るけど、結構ハッとするような瞬間が何度かあるのよね。


あまりにも不器用なこの二人に、共感する人は少なくないと思います。
もやし

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