オルキリア元ちきーた

テネイシャスD 運命のピックをさがせ!のオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

3.6
先日、アカデミー賞を取った「ノマドランド」を観賞して、とても良い作品で余韻に浸っていたのだが
私の中で最近抑え気味だった反骨精神がその落ち着いた私に反骨し始め、私の原点とも言うべき映画ライフを回復すべく観賞した作品がこちら。
我らがロック魂を奮い立たせる熱い男・ジャックブラック先輩はやっぱり熱い!

邦題が全てを物語る、というかそれしかないくらいおバカロックコメディだが
キャストが豪華すぎる。
言付けに従わない子供時代のJBを叱りつける父ちゃん、あれ?ミートローフじゃないですか?!
そしていきなりロック帝王のロニージェイムスディオ様が子供時代の抑圧されたJBに啓示をしてくれる。
「無理解な親の奴隷になるな!運命を共にする仲間を見つけるんだ!ロック魂を解放しろ!」
ディオ様の教えに従い相棒を探し求めるJB。
そこで超絶ギターテクを持ちながらうだつの上がらない生活をするKGと出会う。
2人のケツには運命が刻まれた秘密があった!!
しかし、意気投合してバンド活動するも、イマイチ認められない2人は
憧れのギターヒーロー達が同じギターピックを使っている事を発見する。
楽器店にピックを求めて相談すると、謎の店員(ベン・スティーラー…ロッカーというより怪しいゴロツキっぽさが痛い)に、それは悪魔のチカラの宿るピックだという真実を聞かされる。
その他にもティムロビンスがいたり
トムハンクスの息子がいたり
あれ?ゴージャスなオネーちゃんはエイミーアダムスじゃね?
というノリで、地味に豪華キャストがチョイチョイ出てるのも面白い。
極めつけはJBと悪魔との対決で、真っ赤なデビルマン?のデイヴ・クロール(元Nirvanaドラマー、現フーファイターのボーカルで他にもナインインチネイルズのドラマーとかやってるマルチミュージシャン)が出てる。

JBことジャックブラックも相棒KGことカイル・ガスも俳優業に軸足があるものの
「テネイシャスD」というバンドユニット活動もしていて、その変態音楽(褒めてる)のファンが勢揃いして馬鹿騒ぎするスタイル。

「スクールオブロック」が表向きな王道ロックコメディとすれば
本作は完全に嗜好が偏ったB面作品だが、この作品が好きな人とは間違いなく友達になれる気がする。

「くだらない」というのが褒め言葉になる稀有な作品。