でしょうかな

ファイト・クラブのでしょうかなのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.8
無気力に、不眠症に悩まされながら日々を過ごす主人公は、ガン患者の懇親会に出席し、そこで思い切り泣くことで活力を得るが、そこに現れたマーラという女に邪魔されたように感じる。そしてある日アパートの自室が爆発し、困った主人公は、直前に飛行機で会ったタイラーという男に電話をかける。そして、主人公は予期せず非日常の世界に転がりこんでいく。

「ファイト・クラブ」。そこでは、日々に倦む男たちが拳で殴り合い、そして本当の自分を見つけ出す…みたいな作品かと思いきや、予想外に社会批評的な色合いが濃い映画。最初は憂さ晴らしとして受け入れられていたクラブだが、やがてタイラーというカリスマ的指導者の下に、ネオナチじみたテロ組織に発展していく。こういう、冴えない人間が暴走する映画は好きだ。
伏線の貼り方もすごく上手い。前半の何気無い会話や単なる洒落た演出に見えたものが、突然ひっくり返る。かなり名の知られた作品だが、ネタバレを見ていなくて本当に良かったと思う。まあ、このトリックはよくよく考えるとズルい気もするが…。

価値観が変わる、というほどでは無かったものの、なかなか衝撃的な映画でした。
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