もう10年以上も前の作品だけど、描かれているテーマはとてもタイムリーで、恐らくあと10年経ってもテーマだけは古びることはないだろう。どうしてもこういう問題は時代を経るごとに深刻化していく。
本編冒頭でもあった通り実際の事件をモチーフにした作品。一通り見てみると時間の経過がわかりにくいが、実際は9ヶ月の間、子供たちだけで生活していたそう。常識的には考えられない。でも今の時代でもこういう親が多からずいるんだろうなー、と思ってしまう。簡単に子供作るなよ！と説教したいところだが、私では説得力に欠ける。
子供の目を通した親の姿は、今作の場合、非常に腹立たしいまでに無責任。母親はもちろんだが、異なる父親たちもクズ。父親としてではなく、そもそも人間としてダメな類が揃いも揃ってあの母親に惹かれたんだろう。
結局、事件の結末までは描かれず、あくまで“モチーフにした”というのを貫き通した感じ。個人的にはすっきりしないし、せめて字幕でその後を説明してほしかった。親に見捨てられた子供目線での描き方なら、母親もしくは大人への理不尽さに帰結するのも面白かったかもしれない。
