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マイケル・ジャクソン THIS IS ITのJINのレビュー・感想・評価

5.0
この『THIS IS IT』で見せてくれたものは、予想を超えてはるかに素晴らしいものだった。
ステージの完成形を見ることは適わなかったけど、もしツアーが実現していたならば、それはもう観に来た人達の全てが満足して帰っていくんじゃないかっていうぐらいのクオリティーであることが十分伺えた。
音楽やパフォーマンスに関してマイケルの完璧主義者っぷりは、まるで映画監督のように隅々までイメージが行き渡っているよう。
音楽を熟知していて緻密に、微妙なニュアンスまで感じ取って、その上で自分が表現したいことをとことん妥協せずに皆に伝えるということを徹底していた。
さすが、幼少期から染み付いている長年のキャリアはダテじゃない。
「感じて、表現する」というインプットからアウトプットへの連携が人並み外れた人であることを目の当たりにして、溢れ出る才能と飽くなきその姿勢に正直に尊敬せずにはいられなかった。
50歳である彼の歌とダンスもまた年齢による衰えを全く感じさせないパフォーマンスであり、そこまでの肉体に仕上げていることに対して人知れず努力していたんやろうなあって思うと日頃からのプロ意識を感じたね。
大スターであるにも関わらず「フレンドリーで謙虚」であるということは、彼がちゃんと感謝する気持ちを持ってる人だってこと。
彼はみんなでステージを作ってるということをよくわかってるのだろう。
音楽を愛してるからこそ妥協もしない。
人々や地球を愛してるからこそメッセージを伝えようとする。
この映画でマイケルの「愛」の大きさに触れて、とても感動してしまった。
観終わってから胸がいっぱいになって、涙が出てきそうになった。
これがツアー直前ではなく、もっと中途半端に前の時期にマイケルが亡くなっていたとしたら、こんな風に完成度の高い映画になることもなかったやろうね。
1曲1曲思わず拍手を送りたくなったけど、映画が終わってから自然と拍手する人達もたくさんいた。
マイケルとマイケルと共にステージを作り上げようとしてた人達、そしてこの映画を世に出してくれた人達にありがとうって言いたい。
素晴らしかったよ!!
JIN

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