【短】フレンチ・ホラーと聞くと想像するだけで体が痛くなるスプラッタ・ホラーが印象的ですが、そんな過激な作品群の中でもゴア描写という一点で突出している一本が、今作『ハイ・テンション』だと思います。
後に『ピラニア 3D』にて女性の胸と3D表現との相性の良さを証明した天才監督、今やハリウッドで活躍をしているフレンチ・スプラッターの騎手アレクサンドル・アジャ監督のデビュー作にして、アジャ監督らしいゴア描写を堪能できると共に、監督の緻密なサスペンス演出に驚かされます。
また特殊メイクには監督の情熱に買われたという、かの『サンゲリア』のメイクアップ・アーティスト、ジャネット・デ・ロッシ氏が参戦しており、低予算ながら高クオリティの切り株・残虐描写は折り紙付き。ストーリーは『マニアック』と『悪魔のいけにえ』を上手い配分で混ぜたような作品ですが、肝は賛否両論のドンデン返し。別にこのドンデン返しが無くても十分に面白かったのに……とはつい思ってしまいますが、1作で2作分の面白さを堪能できたようで個人的には満足です。