群青

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーの群青のレビュー・感想・評価

3.7
押井守節真骨頂。

この作品はうる星やつらが好きな人、またはわかりやすいドタバタラブコメディを求めると残念に思うかもしれない。しかし自分のようにあまりうる星やつらに思い入れのない、フラットな状態で見るとその独特の世界観にどんどん引き込まれると思う。
悪く言えばうる星やつらなのに全くうる星やつらっぽくない。良い意味で言うとみんなが見ていたような大人気アニメでうん?と思いつつもエンターテインメントとしても成り立っている素晴らしいバランスの作品だ。というか、うる星やつらというSF要素があってなんでもあり感がある作品だからこそできたバランスなんだと思う。

押井守の作風を個人的な感覚で説明すると、なんだかわかんないけど凄い作品、である笑
自分が観た押井守作品はコレとパトレイバーと攻殻機動隊。今の所パトレイバー2がとても好き。
とにかく台詞が長い(けどクソかっこいい)、哲学的なテーマが共通しているような気がする。セリフに関してはアニメ作品によくある説明的なセリフでは全くなく、キャラクターたちが自然に話している印象が多い。でも長セリフあります笑 あとダラダラしたシーンが多い。人によっては退屈するが私にとってはその間が大好物である笑

今作に関して言うと夢と現実が曖昧になるという作品だ。
文化祭の前日、夜通しで準備をしていたあたる達。その雰囲気を楽しんでいると温泉マークとサクラ先生がふと疑問に思う。あれ?文化祭の前日を繰り返してない?
そこからなんとかループの世界を終わらせようと奮闘するあたる達。展開がニ度三度繰り返しつつ別の視点で描いたり、だんだんおかしいと感じ始めてからの違和感はとても楽しい。そして明かされる真実、竜宮城に浦島太郎だけでなく村人全員連れて行ったらどうなるのか?まさにその通りになってる。
後半はループ世界に気づいてからの展開。メガネの長セリフが素晴らしい。ここからの展開もなかなかでラストは大団円でもうとにかく素晴らしい!個人的には前半の方が好きだな。ラムとあたるの関係もより深いものになってるし。
アニメを深めようと思ったら押さえておいてほしい作品だ。
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