やた

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのやたのレビュー・感想・評価

4.0
かなり前に観たはずだけど話の大筋しか覚えてなかった。
テンションの緩急がお見事で、いつもの「うる星やつら」らしいバカ騒ぎが続いたかと思いきや急に世界が変わったように静かでセンチメンタルな空気になって、そしたらまたハイテンションになって…という揺れをうまくまとめてるのがすごい。
でも全体的にうっすら流れるほの暗さは、おそらく監督特有の味なんだろうけど、出そうと思って意図してるのかつい出てしまうのか。

だいたいの人が共感できる「一番楽しいお祭り前夜」に起点が設定されていて、ずーっとこの楽しい時間が終わらなければいいのに、という気持ちに入り込みやすい。

移動しても元の場所に戻ってしまうところは、ホラーにもコメディにも見せられるエピソードだなぁと改めて発見した。
でかい亀の上に友引町だけがあって、それを石になった(?)チェリーたちが支えてるっていう発想も面白いなぁ。真実を知ってからは世界が開き直ったかのように様相を変えるのもテンポが良い。

ラムちゃんが他の女の子を排除したいと思ってるわけじゃないとかあたるの気持ちとか、ちゃんとキャラが愛せる仕掛けを設定してるのも安心できる。
現実に戻るトリガーがあたるの気持ちと行動というのも良かった。
「好きな人を好きでいるために自由でいたい」というセリフはすごく心に残る。

「ハルヒ」のエンドレスエイトなどなど、色んなタイムループものを知った上でも充分面白いけど、当時何も知らずにこれを観たらどんな衝撃を受けたんだろう。
新しいものが出た時は新鮮なうちに摂取しないとな、と改めて思わせてもらった。
やた

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